ハリー・ポッターと呪いの子 Harry Potter and the Cursed Child ロンドン公演
J.K.ローリング J.K.Rowling、ジャック・ソーン Jack Thorne、 ジョン・ティファニー John Tiffany が舞台用に書き下ろしたオリジナルストーリー「ハリー・ポッターと呪いの子 Harry Potter And The Cursed Child」ロンドン公演をパレス・シアターで観て来ました。
本作はハリー・ポッター8作目の作品で、ハリー・ポッターがヴォルデモートを倒した7作目から19年後の世界が描かれています。舞台はハリーの子供たちがホグワーツ魔法魔術学校へ向かうキングス・クロス駅から始まり、ハリーの次男アルバス・ポッターは、ホグワーツ特急の中でドラコの息子スコーピウス・マルフォイとハーマイオニーの娘ローズ・グレンジャーに出会います。ホグワーツの組分け帽子は3人をどの寮に指定するのでしょうか。
現在と過去を行き来するこの舞台では、前7作の名シーンが随所に再現され、ハリー・ジニー・ロン・ハーマイオニーの他にもドラコ・マクゴナガル校長・スネイプ先生・他にも沢山!新キャラクターも登場し、現在と過去が繋がって行きます。映画に引けを取らない壮大なスケールで物語は展開し、どんどん引き込まれて行きます。
開演前のステージの様子。幕は既に上がっている状態から始まります。
パート1・2合わせて約5時間もの舞台を魅力的に演じ切る役者さん達の技術は驚きです。それに加えてハリー・ポッターの世界観を再現した見たこともないような仕掛けの舞台装置や魔法演出もこの舞台の大きな見所です。再現されたシーンで特に印象深いのは、魔法省入口の電話ボックス、ディメンター、エクスペクト・パトローナムなどの呪文シーンで、どのような仕掛けなのか全くわからない、または、再現力が想像を超えるものでとても感激しました!
1日に約5時間観劇するのは初めてのことでしたが、5時間あったとは思えないほど最初から最後まで夢中になって観ることができるプログラムでした。ハリー・ポッターの世界にどっぷり浸れる1日となり、パート1・2両方を1日で観るチケットを取ったことは私にとっては正解でした。
ローレンス・オリビエ賞 Laurence Olivier Award で歴代最多9部門獲得・11部門ノミネートを果たした本作は、2016年に初演を迎えてから今もなおウエスト・エンドで1番人気を誇る作品です。チケットは入手しにくく値段は少々お高めですが、それに十分値する最高のエンターテイメント作品だと思いました。面白かった!
Harry Potter and the Cursed Child
Palace Theatre
住所:113 Shaftesbury Avenue, London, W1D 5AY
グラスゴー大聖堂とグラスゴー・ネクロポリス【グラスゴー②】
グラスゴー大聖堂
グラスゴー大聖堂 Glasgow Cathedral は1100 年代に建てられた、スコットランド国教会の大聖堂です。プロテスタント改革をほぼ無傷で生き延びた、スコットランド本土で最も古い大聖堂であり、グラスゴーで最も古い建物です。
大聖堂広場からみる大聖堂西正面
大聖堂はグラスゴーの守護聖人である聖ケンティガーン St Kentigern(聖マンゴー St Mungo としても知られる)に捧げられており、地下の教会には聖ケンティガーンの墓があります。
大聖堂身廊とグレート・ウェスト・ウィンドウ
グラスゴー・ネクロポリスからみる大聖堂
グラスゴー大聖堂は中世の重要な巡礼地であり、巡礼者は聖ケンティガーンに捧げられた大聖堂と彼の墓を崇拝していたといいます。宗教改革による破壊を免れた大聖堂は、中世ゴシック建築の荘厳な建物と美しいステンドグラスが今もなお崇高な空間を生み出しています。
グラスゴー大聖堂 Glasgow Cathedral
住所:Cathedral Precinct, Castle Street, Glasgow G4 0QZ
営業時間:月曜日~土曜日 10時-16時、日曜日 13時-16時
入場料:無料
グラスゴー・ネクロポリス
グラスゴー・ネクロポリス Glasgow Necropolis は、グラスゴー大聖堂に隣接するビクトリア朝の庭園墓地です。37エーカーあるという敷地には5万人が埋葬されており、3,500の墓とモニュメントが建てられています。
アレクサンダー・トムソン Alexander ‘Greek’ Thomson やチャールズ・レニー・マッキントッシュ Chares Rennie Macintosh がデザインしたモニュメントや聖職者ジョン・ノックス John Knox の像があり、探検家で作家のウィリアム・レイ・ウィルソン William Rae Wilson や化学者のチャールズ・テナント Charles Tennant らがこの地に埋葬されています。
グラスゴー・ネクロポリスの丘は高台に位置しますが、芸術的なモニュメントの数々、グラスゴー大聖堂の全形、そしてグラスゴー市街地を一望できるので、上まで登ってみることをおすすめします。
グラスゴー・ネクロポリス Glasgow Necropolis
住所:Castle Street, Glasgow G4 0QZ
営業時間:月曜日~日曜日 7時-16時30分
入場料:無料
ケルビングローブ美術館・博物館 Kelvingrove Gallery and Museum【グラスゴー①】
スコットランドで最も人気の行き先の1つであるケルビングローブ美術館・博物館 Kelvingrove Gallery and Museumは、約8,000点を超えるコレクションを22のテーマに沿って展示するギャラリーです。ケルビングローブの展示品は古代エジプトのミイラ、恐竜や海洋生物の標本、イギリス空軍戦闘機スピットファイアー、ゴッホ・モネ・ダリ・レンブラントの絵画、グラスゴーが生んだ芸術家マッキントッシュの作品など多岐に渡ります。
Spitfire LA198
エントランスを入ると、吹き抜けの巨大空間セントラル・ホール Centre Hallに、1901年に作られた美しいパイプオルガンを見ることができます。
建物はセントラルホールを挟んでイースト・コート East Courtとウエスト・コート West Courtに分かれており、イースト・コート1Fにマッキントッシュとグラスゴースタイル、2Fにオランダ美術やフランス美術、ウエスト・コート1Fに古代エジプトや古代生物、2Fに武器や甲冑などの展示があります。
個人的にはイースト・コートとウエスト・コートを別々に観る方が、展示テーマに沿って館内を歩けるような気がしました。
Ceratosaurus
The sarcophagus of the great Steward Pa-ba-sa
Charles Rennie Mackintosh, The Glasgow style
Van Gogh, Alexander Reid, 1887
Claude Monet, Vétheuil, 1880
Sophie Cave, Floating heads
喜怒哀楽の表情を浮かべるフローティング・ヘッズは、首の断面が緑・紫・青・ピンクなどに光るんです!この厳かな室内装飾と現代アートの融合はインパクト大でとても驚かされました。
グラスゴー出身であるマッキントッシュがデザインした家具やステンドグラスなどのコレクションを多数見ることができるのも、この美術館の特徴ではないでしょうか。
コレクションの多さから美術・博物学共に多様な要素が詰まっているとても面白い美術館です。古代生物から現代アートまで一挙に観ることができる幅の広い美術館で、大変印象に残りました。
ケルビングローブ美術館・博物館 Kelvingrove Gallery and Museum
住所:Argyle Street, Glasgow, G3 8AG
営業時間:月曜日~木曜日・土曜日 10時-17時、金曜日・日曜日 11時-17時
入場料:無料
BBCドラマ Vigil ビジル 過去3年間で最も視聴された英国新作ドラマ
BBCの大ヒットドラマVigil ビジルが過去3年間で最も視聴された新作ドラマに輝いて注目を集めています。
エピソード1~6までのミニシリーズドラマながら、弾道ミサイル原子力潜水艦を舞台にしたスケールの大きな作品で、潜水艦という密室で起こった乗組員の不審死を主任検査官エイミー・シルバが、地上で捜査する同僚カーステンの協力を得て解明していくサスペンスです。1話から多くの謎が謎を呼ぶスリリングな展開となっていて、6話までスピード感を持ってストーリーが展開し、視聴者を惹きつけます。
エグゼクティブ・ディレクター兼脚本を担当するのはトム・エッジ Tom Edge。クラウン The Crownやストライク Strikeなど人気ドラマの脚本を手掛けています。
スランヌ・ジョーンズ Suranne Jones、ローズ・レスリー Rose Leslie、ショーン・エヴァンス Shaun Evans、パターソン・ジョセフ Paterson Joseph、マーティン・コンプストン Martin Compstonらが出演しています。
エピソード1のあらすじ
弾道ミサイル原子力潜水艦HMS Vigilで乗組員クレイグ・バーグ Craig Burkeが死亡しているのが発見され、スコットランド警察が調査に乗り出します。英国の核抑止力として潜水艦はパトロールを続けるため、主任検査官エイミー・シルバ DCI Amy Silvaが調査のために乗船することとなります。バーグの死は薬物の過剰摂取によるものと考えられていますが、エイミーはバーグが殺害されたのではないかと疑っています。一方地上では、エイミーの同僚カーステン・ロングエーカー Kirsten Longacreが死亡したバーグと知人への調査を始めていて、バーグの部屋から手がかりを見つけるのでした…
Vigil 公式トレイラー
シーズン1の成功を受けて早くもシーズン2の制作が囁かれています。トム・エッジが作り出すスリリングで魅力的なストーリー展開をシーズン2にも期待しつつ、リリースを待ちたいと思います。
イギリスにお住まいの方は、BBC iPlayerからシーズン1を視聴できます。
英国美術コレクションを最も所蔵するテート・ブリテン Tate Britain
テート・ブリテンはロンドン南西部テムズ川沿いミルバンクに位置する英国美術ギャラリーです。1500年から現在までの英国美術コレクションを最も所蔵している美術館で、JMW ターナー JMW Turner, ジョン コンスタブル John Constable, ジョン エヴァレット ミレーJohn Everett Millaisなどの作品を観ることが出来ます。英国アーティストに授与されるターナー賞 Turner Prize の作品展を毎年開催することでも知られています。
シドニーR.J. スミス Sidney R.J. Smith が設計した建物は、ポルチコ(柱廊)玄関と中央のドーム型アトリウムの美しさが特徴的です。
マーク・ロスコ MARK ROTHKO:シーグラム壁画 THE SEAGRAM MURALSの一室では、一室全てにロスココレクションが展示されており、ロスコだけの統一された空間を楽しむことが出来ます。
Mark Rothko, Black on Maroon 1958
ターナーのギャラリーでは、ターナーの作品7部屋、ターナーに関する作品2部屋、合計9部屋に渡るコレクションを一挙に観ることが出来ます。海景、英国やヨーロッパの風景、イタリア旅行後の作品、未完成の作品など、ターナーの度重なる画風の変化を各部屋を周りながら知ることができ、その絵の美しさはもちろんの事、抽象的と称される作品にたどり着くまでの変化を、順を追って観ることが出来ます。
Joseph Mallord William Turner Florence c.1827
Joseph Mallord William Turner Norham Castle, Sunrise c.1845
Joseph Mallord William Turner, Sunrise, a Castle on a Bay: ‘Solitude’ c.1840–5
Joseph Mallord William Turner, Rocky Bay with Figures c.1827–30
テート・ブリテンで多くのターナー作品に出会い、その魅力について改めて知ることが出来ました。好んで使用したとされる黄色で描かれた光の描写を特に美しく思いました。他にも、ヘンリー・ムーア Henry Mooreの彫刻など、英国美術コレクションを多数鑑賞することが出来ます。主要な政府機関などがあるミルバンク地区で、落ち着いた時間を過ごすのにぴったりな場所です。
テート・ブリテン Tate Britain
住所:Millbank, London SW1P 4RG
営業時間:月曜日~日曜日 10.00-18.00
入場料:無料 (企画展のみ有料)
ロンドン最大の近現代美術館テート・モダン Tate Modern
2000年5月にオープンしたテート・モダン Tate Modernは、ロンドン最大の近現代美術館で、イギリスの観光名所の中でもトップ5に入る人気の場所です。ロンドン南東部サザーク地区のテムズ川沿いに位置する旧バンクサイド発電所を、本来の特徴を残して改築した建物で、タービンホール Turbine Hallは巨大空間が印象的な入口に、ボイラーハウスは展示スペースに改築されました。
Gerhard Richter, Cage (1) - (6) 2006
Andy Warhol, Marilyn Monroe's Lips, 1962
Sarah Sze, Seamless 1999
Cildo Meireles, Babel 2001
Haegue Yang, Sol LeWitt Upside Down 2015
3Fにあるカフェのテラスに出ると、テムズ川を挟んで正面にセント・ポール大聖堂が見えます。ミレニアム・ブリッジ、テート・モダンと合わせて観光する方が多いようです。
テート・モダンは、テートが誇る近現代美術コレクションを余すことなく堪能できる美術館です。旧発電所という印象的な建物の中に贅沢な巨大空間が広がっていて、部屋に入るとハッとするような大型展示があったり、作品と空間の余白のバランスが美しい美術館だなと思いました。今回は常設展を観ましたが、見ごたえのあるコレクションの数々で充分楽しむことが出来ました。次は企画展を観に訪れたいと思います。
テート・モダン Tate Modern
住所:Bankside, London SE1 9TG
営業時間:月曜日~日曜日 10.00-18.00
入場料:無料 (企画展のみ有料)
白亜の断崖セブン・シスターズとバーリング・ギャップ [ロンドンから日帰り旅行④]
セブン・シスターズは、イースト・エセックスの南海岸線を形作る、7つの崖が連なった白亜の断崖です。ロンドンから車で2時間半ほどで到着します。
セブン・シスターズの7つの丘は、西から東に向かって次のように名付けられています。
①ヘブン・ブロウ Haven Brow
②ショート・ブロウ Short Brow
③ラフ・ブロウ Rough Brow
④ブラス・ポイント Brass Point
⑤フラッグスタッフ・ブロウ Flagstaff Brow
⑥ベイリーズ・ヒル Baily's Hill
⑦ウェント・ヒル・ブロウ Went Hill Brow
西から見るか東から見るか。
私は東側のウェント・ヒル・ブロウ Went Hill Brow近くのバーリング・ギャップ Birling Gapへ行き、東から西に広がるセブン・シスターズの景色を見てきました。
バーリング・ギャップ東側の丘を登っていくと、丘の頂上にベルタウト灯台 Belle Tout Lighthouseがあります。丘を登ると角度がついてより綺麗なセブン・シスターズが眺められます。
ベルタウト灯台から更に東へ向かうと、崖のふもとから海に向かって建てられたビーチー岬灯台 Beachy Head Lighthouseが見えてきます。バーリング・ギャップから徒歩45分ほどの所にあります。
バーリング・ギャップでは、海岸に降りて海で遊ぶこともできます。砂利浜ですが、泳いでる人やピクニックをする人達で賑わっています。
1年に30~40cmの侵食が推定される崖は年々姿を変えています。白亜の断崖と周辺に広がる草原、大きく広がる空と海!手つかずの大自然のパノラマを、次は西側カックミア川 Cuckmere Riverから眺めてみたいと思いました。
バーリング・ギャップとセブン・シスターズ Birling Gap and the Seven Sisters
住所:East Dean, near Eastbourne, East Sussex, BN20 0AB